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13 Reasons Why (13の理由) が世界で話題になっているワケ

13の理由 コラム

アメリカの Netflixドラマ “13 Reasons Why (13の理由)” が配信直後から大きな反響を呼び、さらに最近では「教育ツールとして使用してはいけない作品」と批評されたり、物議を醸しています。それにしても、なぜこんなに話題になっているのでしょう。

13 Reasons Why (13の理由) は、ひとりの女子高生、ハンナベイカーの話です。その彼女が実は7本のカセットテープに自ら命を絶った「理由」を遺していた、という死の謎を解き明かすドラマで、ハッピーエンド好きな日本人には不慣れな作品かもしれません。

ドラマ演出には賛否両論も

先日、オーストラリアの National Youth Mental Health Foundation などのメンタルヘルス団体は、このドラマに対し「自殺する人間を美化してしまう恐れがある」という警告を出したそうで、未成年の視聴に関して注意を促しています。


原作は Jay Asher のミステリー小説

オリジナルは、2007年リリースのジェイアッシャー原作のミステリー小説 Thirteen Reasons Why で、The New York Times のベストセラーにも選ばれました。

13の理由
(日本語版 “13の理由”)

ドラマでは、もうひとりの主人公であるクレイジェンセン (自殺した女子高生の親友) が、昔懐かしのWALKMANでカセットテープの片面ずつ聞いていきます。10代の自殺という重いテーマでありながらも、ミステリアスに進んでいく展開で、オーディエンスを惹き付けます。

番組制作は Selena Gomez

Netflixの一般的エンターテインメントとはだいぶ違うジャンルですが、10代の自殺は、時に起こってしまう社会問題であり、「この問題は話し合うべきこと、話し合うことを恐れてはいけない」という意図から制作されました。そして、このドラマ化には、番組エグゼクティブプロデューサーでもある、歌手で女優の Selena Gomez が関わっています。彼女と彼女の母親がこの原作を気に入り、映像化権を獲得したというわけです。


出演者はミレニアルズの俳優陣

このドラマは、いわゆるキャスティング重視ではなく、ほとんど無名な新世代の俳優達が出演しています。ハンナベイカー役を演じた女優の Katherine Langford や、クレイ役の Dylan Minnette など、ミレニアル世代の俳優ばかりで、より多くの話題を呼んでいます。


印象的なOSTが多数

ドラマの内容がさらに深まるオリジナルスコアは、Ninja Tune の Eskmo が担当。緊張感ただようサウンドが流れます。また、サウンドトラックにも印象的な曲が多数クレジットされています。特に印象的な曲は、主人公のクレイとハンナが高校のダンスパーティーで逢うシーンの曲 “The Night We Met” (Lord Huron) でしょうか、ストーリーとうまくシンクロしています。

そのほか Selena Gomez はもちろん、回想シーンで流れる20代女性ヴォーカルのバンド The Japanese House や、ポートランドの Chromatics など、視聴者のハートを掴む曲がセレクトされています。


観終わった後もいろいろ考えさせられるドラマ

このドラマは、ハイスクール内のSNS投稿による拡散で起こる噂話、学生同士の友情・恋愛話など、ミレニアル世代達の日常が上手く描かれています。そして、劇中の slut shaming (女性の性的な行動に対して、批判・侮辱する性差別) の様な、まわりの人たちによる些細な言動が、時にひとりの人間を対象に傷付けてしまう…ということが思い知らされ、主人公の孤独感について観終わった後もいろいろ考えてしまいます。

カセットテープに遺されたハンナの証言が全部本当の話なのか? 学校の生徒たちの言い分は? ハンナの死後、家族やまわりの人達への影響は? もしかしたら真実はすべて明かされていないのかもしれません。この番組を観た皆さんは、なにを考えたでしょうか。

シーズン2 制作決定